変形性股関節症の手術を生涯で1回だけにする為

生涯で股関節の手術は1回だけにするという目標

ある患者さまは、変形性股関節症の末期といわれていますが、鍼灸の施術と病院のリハビリで、変形性股関節症の症状を上手にコントロールしてきました。

当院に訪れた時、「今すぐ手術をすると、2回目の股関節の手術が必要になる年齢だから、もう少し手術を遅らせたい。」とはっきりと仰っていました。

生涯、股関節の手術は1回にしたいという目標で、わずかに残っている股関節の隙間が無くならない様に鍼灸の施術を隔週で受けてらっしゃいました。

変形股関節症になると、脚の長さに差が生まれる(脚長差)

この方は、左右の足の長さの差(脚長差)が3センチ、入れているインソールは1.5センチでした。鍼灸の施術を続け、ガチガチだった股関節や下肢の筋肉が緩くなり、歩き方が変わりました。

そして鍼灸の施術を重ね、脚長差が約5ミリに変化し、ソールは市販の薄いものに変わりました。

3センチ以下の脚長差

変形性股関節症で脚長差が3センチ以下ならば、骨盤の傾斜で代償し、歩行に問題は起こらないと言われています。

当院は、3センチ以下の脚長差でなおかつ、お尻の筋肉の強度がそこそこ保たれていれば、鍼灸の施術を受けることで、変形性股関節症による症状は改善すると考えています。

手術を選択するタイミング

手術を選択するタイミングを計るのは簡単なことではありません。人工関節も1回入れたら一生、使い続ける事ができるわけではありませんし、手術後に痛みが減らず、苦労している方もいるようです。

この方は、私育児休暇をとっている8ヶ月の間に股関節の隙間が無くなってしまい、手術に踏み切りました。ちょうど、60代後半なので、目標である「生涯で股関節の手術は1回」というのにギリギリな年齢でしょうか。何とか今回1回の手術だけで、予後がよく過ごせますようにと祈っています。

明るい方で、手術を決めた時も連絡を下さり、「今までよく自分の関節で生活できた。ただ、この頃、極端に症状が悪くなり、迷い無く手術しようと思えた。」というご連絡を頂きました。

今年も年賀状を頂き、元気に過ごされているそうです。

手術に踏み切る際の患者さまの気持ちはとても大切だと思います。勢いで手術を決め、術後のリハビリの苦しさに悩んだり、こんな筈じゃなかったと悩まない為にも、ご自身の症状と向き合い、自分が納得できる最善の方法やタイミングを計れると良いな、と思います。

また、鍼灸の施術で変形性股関節症の痛みがコントロールでき、股関節の可動域が広がり、ゆっくりと自分の股関節や人生を考える時間を得ることができます。