頚椎損傷による痙縮|接触鍼でみられた身体の変化
頚椎損傷による痙縮(けいしゅく)がある方が来院されました。
痙縮とは、筋緊張が過度に高まることで手足が動かしにくくなったり、意思とは関係なく動いてしまう状態を指します。脳卒中や脊髄損傷、脳性麻痺、頭部外傷など、脳や脊髄の疾患・外傷に伴ってみられることがあります。
この方は頚椎損傷があり、特に膝から下に強い痙縮がみられました。足部は白色からやや紫がかった色調で、冷えも伴っていました。
日によっては足の裏に分厚い板が付いているような感覚があったり、感覚が鈍く感じることもあり、歩行が安定しにくいとのことです。医師からは手術は難しいとの説明を受けているそうです。
以前に鍼灸施術を受けた経験はあるものの、触診を進める中で刺鍼に対する抵抗感がみられました。そのため今回は、刺さない鍼である「接触鍼」を用い、刺激量を抑えた施術を行いました。
1回目の施術後、「座る・立つ動作が楽に感じる」とご本人からお話がありました。ご家族からも「歩き方がいつもよりスムーズに見えた」とのご連絡をいただきました。
2回目の来院時には、前回は困難だった仰向け姿勢が比較的スムーズにとれるようになっていました。足の色調も前回より血色がうかがえ、冷えの程度にも変化がみられました。
痙縮そのものは中枢神経系の損傷によって生じるため、病態そのものが大きく変化するものではありません。
しかし、身体全体の緊張バランスや循環の状態が整うことで、動きやすさや日常生活動作に前向きな変化がみられることがあります。
現在も経過を観察しながら、刺激量に配慮した施術を継続しています。ご本人の表情が穏やかになり、前向きなお話が増えていることが印象的です。
