肝硬変

その日、来院された方のお腹には腹水が溜まっていました。直ぐに病院を受診してもらいました。診断は肝硬変でした。

 

それからこの方は週1回、鍼灸を受けに来てくれました。施術を受けると足の血色が良くなり、浮腫みが軽減し、身体が楽になると喜んでいました。

GOT(AST)GPT(ALT)値が100以上の値から77〜56まで下がり、アンモニアの数値270が138、更に59まで下がりました。そして、医師から「自宅での生活を継続して良い」と言われました。

この方は週1回鍼灸を受けながら、夫婦楽しく暮らしている様で、旦那様の書いた絵の載ったハガキなどを持ってきて見せてくれました。

 

それから、2年3ヶ月という月日が流れました。ある日、急にアンモニア値が上がり、健忘の症状が出ました。このような症状が出て年寄りだけで暮らすのは良くないと、息子さん家の近くにある施設で暮らすことになりました。

これは2011〜2013年の頃の備忘録です。鍼灸が肝臓の検査値を改善し、肝硬変による症状を緩和して、自宅生活ができる時間を長くしたと言える症例です。

 

この方はC型肝炎から肝硬変になりましたが、今はC型肝炎の新薬が出来たので、肝硬変に移行する方は減ったのだと思います。肝硬変はとても苦しい病気。薬が発達して、肝硬変で苦しむ方が少なくなるのは本当に喜ばしいことです。