産後の骨盤矯正という言葉について|本当に整えるべきものとは
産後の身体はとてもデリケートです。慢性的な疲労があり、臀部(骨盤周囲)の左右差や下肢長の差がみられることもあります。首・背中・腰の緊張、むくみ、乳房の張りなど、全身にさまざまな変化が起こっています。
産後の方は「不調が多すぎてうまく説明できない。でもとても疲れている」とおっしゃることが少なくありません。
お母さん方が施術に望むのは「骨盤矯正」で、「産後は骨盤矯正が必要なんですよね。鍼でもできますか?」とよく聞かれます。
身体の状態は複雑に関係し合っているため、説明が難しく、わかりやすくするために「わかりました。骨盤を整えますね」とお伝えします。
産後に骨盤周囲のバランスを整えることは大切です。しかし、骨盤周囲だけにアプローチしても十分な変化が出るとは限りません。身体は全体でつながっているからです。
また、「骨盤矯正」という言葉は医学的な正式名称ではなく、一般的に使われている表現です。そのため明確な定義があるわけではありません。
「矯正」という言葉は、骨盤が大きく動いて元の位置に戻るような印象を与えることがあります。しかし骨盤は構造上、大きく動く部位ではありません。
私は「骨盤を整える」という表現を時々使いますが、誇張した期待を持たせるような言葉は使わないよう心がけています。
施術を受けたあとに大切なのは、「骨盤矯正を受けたから良くなったはず」と思うことではなく、ご自身の身体が実際にどう変化したかを感じることです。
来院されるお母さん方は「骨盤矯正」を希望され、この言葉に過剰な期待を持たないでほしいと思い、この記事を書きました。
妊婦さんもお母さんも本当によくがんばっています。その身体をきちんと良い方向いて行けるようにこれからもお手伝いをしたいと思います。
