知り合いの方の頭痛とめまい

知り合いの方が頭痛・めまいで来院されました。ご縁があった方が来てくれるのは嬉しいことです。鍼灸は人に喜ばれる仕事で、私がお世話になった方に恩返しが出来たら、尚、嬉しいことです。

 

鍼灸の施術はスタートは順調でした。身体がとても繊細で、最初は一番細い鍼だけで施術をしました。そのまま優しい鍼灸を提供していけばよかったのですが…。

 

知り合いを施術する場合、「辛いよね、私が何とかしてあげる」といったような情動で動いて、冷静さや客観性が失われやすいと言われています。

今回がまさにそんなケースだったと思っているのですが、相手に感情移入したわたしが、改善を促すために自分の持っている鍼灸の技法の引き出しを開けてどんどん提供していきました。

そうして、わたしは施術13回目の時には、身体の深部に触れるような鍼の施術を提供しました。その3日後に副反応としての頭痛が起きてしまい、これがしんどかったとのことで施術終了となりました。

この方のめまいは4回目の施術後から出なくなっています。身体の反応点(ツボ)の道筋に鍼を刺入しますが、鍼を表皮・真皮まで刺入する方、筋膜まで刺入する方、筋原線維まで鍼先を刺入する方と様々です。

反応点に触れるところまで鍼先を運ぶと、身体の歪みに大きな変化がでますが、体質に合わないと反動としてだるさやマイナスな反応が出ます。

鍼は身体の変化を大きく起こせますが、身体が弱っているときの大きな変化は身体がついていけません。身体は単に大きな変化を起こせば良いというもではありません。

その方にちょうど良い身体の変化を提供することが体調の良さを生みだします。

 

後日、用事があって連絡を取ると「最近は運動始めたらすっかり頭痛が起きなくなってきてます。運動と(鍼灸を)併用してたら違ったかも知れませんね…」とお返事を頂きました。

強い刺激の鍼では副反応が起きましたが、他の施術の積み重ねはこの方の縮んでいた胸鎖乳突筋を柔らかくしてのばし、出っ張ってしまった隆椎、第7頚椎付近の出っ張りが凹みました。

13回の施術を担当した中で、この方の身体はどんどん変化していきました。よい効果もちゃんと出ているのを聞けたので安堵しました😊

 

良くしてあげようと気負いすぎてしまう症例は結果がよろしくないですね。きちんとニュートラルな位置に立ち、常に相手を冷静に客観視して施術は行わなければなりません。今回は反省を含め、ここに記録しておきます。